マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

投資用マンションの管理組合は「君臨すれども統治せず」

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先日、「マンション管理適正化診断」のために、築30年を超える都内の大規模団地に訪問した際のことです。

 

こちらのマンションは、竣工以来「自主管理」で運営されており、管理費等の出納会計さえも管理組合の役員が自ら行っています。

 

にもかかわらず、管理費の滞納はなし!

 

理事会や総会が適宜開催されているのは当然で、総会議事録はわざわざ録音テープから起こして作成しています。

 

長期修繕計画も定期的に更新され、修繕委員会主導のもと、昨年2回目の大規模修繕が無事完了したところでした。

 

理事会や議事録の広報やファイリングも万全なうえ、消防点検や特殊建築物定期調査といった法定点検も特に改善を要する指摘事項もなく、まさに文句のつけようがありません。

 

住民の高齢化はかなり進んでいるので将来的不安はあるものの、建物管理についてはすこぶる良好な状況でした。

 

つい本音が出て、役員さんに「素晴らしいですね!」と言ったところ、その役員さんは「ここに住んでいる人はたいてい役員を経験しているから組合の仕事を熟知してるんだよね。だから、サボってるとすぐバレちゃうんだよ~!こっちにプレッシャーがかかるんだよね。」と謙遜しながら仰っていました。

 

一方、同じ都内でワンルームマンションの定期総会に陪席させてもらった時のこと。

 

30数戸の組合員のうち、管理者(理事長)など役員以外の出席者はたったの1名

残りはすべて、委任状と議決権行使書です。

 

総会の進行を務める議長は当然管理者の仕事ですが、議案内容の説明は管理会社の担当者に「すべてお任せ」の状態でした。

 

質疑も管理会社に対するものがもっぱらで、あらかじめ予想はしていたものの、自主管理のマンションとここまで違うものかと感じました。

 

記事の冒頭で紹介した自主管理型のマンションの場合には、管理組合自身が主体となってマネジメントを行っています。

 

しかし、後半の投資マンションにはそういった印象は一切ありません。

 

言うなれば、

管理組合は「マンションを購入したお客様」として君臨すれども統治せず、です

 

そして、管理会社は売主であるデベロッパーの「名代」として、親会社からお客様の「お守り役」を仰せつかっているわけです。

 

もっとも、自己居住目的のマンション管理組合でさえ、これと似たり寄ったりのケースは少なくありません。

 

しかし、長い目でマンションの資産価値を考えたとき、どちらのタイプが「お得」なのでしょうか?

 

「箸の上げ下ろし」まで管理会社にお任せだと、将来管理組合が「介護」状態に陥るのは確実でしょう。

 

自らの頭で考えて判断して行動できる方が「健康長寿」を全うできるのは、管理組合も同じではないでしょうか。

 

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