マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

大手管理会社がリプレイスされてしまったワケ

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先日の総会で、大手デベロッパーの系列管理会社がリプレイスされることが決まりました。

 

その管理会社は、マンション竣工以来約20年管理を受託していました。

 

しかし、今期修繕積立金を大幅に増額することが決まったのを機に理事会が管理委託費の見直しを開始し、当社がコンサルタントとしてサポートすることになったのです。

 

適正化診断の結果、現在の管理仕様を全く変えない場合でも2割くらい削減が可能であることがわかりました。

 

ただ、このマンションの場合、管理仕様を精査したところ、30 戸と比較的小規模にもかかわらず管理人の勤務時間が平日7時間とかなり長いことがわかりました。

 

見方を変えると、過剰な仕様設定で管理会社が不当に利益を稼いでいるとも言えます。

 

この規模の物件なら、管理人はせいぜい1日4時間程度の仕様が妥当というところ。

 

まして、敷地が特に広いわけでも、特別な施設や設備があるわけでもなく、管理人の勤務時間を縮減する余地は大いにあると判断しました。

 

この管理人の仕様変更を含めると「4割近いコスト削減も可能」と理事会に報告しました。

 

こうした査定診断の結果を踏まえて、9月から管理会社と交渉を開始しました。

しかしながら、その管理会社の回答に関する姿勢はあまりに誠実味のないものでした。

 

まず、管理組合から文書で減額の要請を行ったところ、あらかじめ設定した期限を守らずに1週間回答が遅れたうえに、「年間1万円値下げする」と回答してきました。

 

つまり、事実上のゼロ回答です。

 

弊社が管理会社と直接交渉に乗り出し、設備保守費を中心に直接原価(専門業者への再委託費)の2倍近い金額で設定されているものも多いことを伝え、再検討を要請しました。

 

その後に、管理会社から再度回答が提出されましたが、たった5%の減額しか得られませんでした。

 

ここまで2ヶ月近くの時間を要したにもかかわらず、消費税以下の減額成果では交渉は不調と言わざるをませんでした。

 

そこで当社から理事会に管理会社をリプレイスすることを提案し、3社から見積もりを取って検討することとしました。

 

その結果、うち2社から検討に値する見積金額の提示があり、提案内容のプレゼンを受けて中堅の管理会社に変更することを理事会で決議しました。

 

その結果、現在よりも38%のコスト削減が実現しました。

戸あたりで年間7万円の経済効果です。

しかも、ほぼ当社の査定通りの成果となりました。

 

大手デベ系の管理会社の方はきっとリプレイスされることはないだろうと高を括っていたようでしたが、定期総会で解約されると知るやいなや踵を返して議案書に新たな減額提案の条件を理事会の了承もなく勝手に盛り込もうとしました

 

が、「あとの祭り」です。

 

むしろ、理事会の怒りを買う始末でまったくの逆効果に終わりました。

 

また、この管理会社、日常業務で大きなミスを犯していたことも発覚しました。

 

秋から修繕積立金の改定が前回の総会で決まっていたのですが、その手続きをすっかり失念していたのです。

それも理事会からの指摘を受けてはじめて気づいたという失態!

 

まさに「リプレイスされるべくしてされた」と言えるかもしれません。

 

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