当社が顧問契約している、都内のマンション管理組合で臨時総会が開催され、高圧一括受電が圧倒的多数で承認されました。(約190戸のうち反対は10票)
このマンションでは、管理組合が自ら受変電設備を新たに購入し、電気事業者となるスキームを選択しました。
この決定に至るまでには、一括受電サービス業者3社からも見積り提案をもらって客観的な視点で契約条件の比較検討も行いました。
その結果、組合が事業者となるスキームが最も有利であると判断したのです。
このスキームが選ばれた理由として、大きく3つ挙げることができます。
◆ 電気料金削減メリット自体が大きい
専有住戸分の電気料金の削減メリットが享受できるため、いずれのサービス業者よりも大きな経済的メリットが見込めると判断しました。
◆ 初期導入費用を「投資」と考えると超高利回りである
管理組合が事業者となる場合、受変電設備(キュービクル)を自ら取得・購入することが大前提になるので、大きな出費を伴います。
これが管理組合にとって小さくないリスクと考えて反対される場合があります。
ただこの管理組合では、繰越剰余金が3億円超があり、かつ管理委託費を適正化した後毎年3千万円以上の剰余金が増える見込みです。
このおカネをどう運用して殖やせるかも課題のひとつでした。
すでに「すまいる債」の運用もしているものの、年利0.3%の低金利では「スズメの涙」の利息しか得られません。
一方、一括受電の初期導入費用は3千万円ほどかかりますが、電気料金の削減効果で実際の手取り収入があるため、これをおよそ9年で回収できる見通しです。
ということは年利換算で10%を超える投資利回りになります。
しかも、変電設備は平均耐用年数が38年(※税法上の耐用年数は25年)と言われていますから、30年以上確実な利益を生み出す固定資産に投資をすると言い換えることもできます。
◆ 電力自由化のメリットをより享受できる
来春から電力の小売りが自由化されます。
これによって東京電力以外の事業者からより安価な料金で電力を購入できる可能性があります。
しかしながら、サービス業者のスキームでは、一括受電するのはサービス業者となりますから、たとえ「仕入れ値」が下がっても管理組合に還元されることはないと思われます。
なぜなら、10〜15年の契約を締結する際に、現状の「共用部電気料金の◯%」相当額ということで還元額があらかじめ決まっているからです。
しかし、組合が事業者となれば、190戸分のバイイング・パワーを使ってより有利な条件で購入できる電力会社を自ら選べて、そのメリットをすべて享受できます。
さて、
こうして一括受電が管理組合として正式に承認されたわけですが、まだ乗り越えねばならない「ハードル」があります。
専有住戸の居住者全員から電力会社との契約解除ならびに管理組合から受電することの同意書を取り付ける必要があるからです。
引き続き、管理組合をサポートしていきます!
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