マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

中身がうすっぺらい、東京都のマンション施策

 

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7月13日、東京都住宅政策審議会が「東京におけるマンション施策の新たな展開」に関するパブリックコメントの募集を開始しました。

「世界一の都市・東京 」(何が世界一?)にふさわしい安全で良質なマンショストックの形成を目指して、マンションも適正な管理を推進すべきというわけで、具体的な施策案が盛り込まれています。

提言の構成としては、「基本的な考え方」をふまえて「具体的な施策」を提案するという流れになっています。

【基本的な考え方】
●マンションは私有財産のため、その管理や再生は区分所有者等で構成される管理組合が自らの責任と自助努力で行うことが基本。

●このため、管理組合は区分所有者の意見を十分に反映するとともに 長期的な見通しを持って適正な運営に努め 、一方区分所有者は、管理組合の運営に関心を持ち積極的にその活動に参加することが必要

管理業者は、組合にとって身近で信頼できるパートナーとして、専門的見地から提案や助言を行い共に課題取り組むなど、管理組合が適正かつ円滑に管理を行える環境を整え、その活動の活性化につながる積極的な役割を果たす必要がある。

●管理組合は、適正な管理や再生に向けた努力、管理情報開示などを通じ、地域社会に対する責務を果たすともに、行政は、専門家や関係団体等と連携して管理組合の取組を支援するなど適切に関与し、 マンショストックの質の確保・改善や有効活用等に取り組むことが必要。

 

【具体的な施策の内容】

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まず、 この提言で最初に違和感を感じたのは、管理業者のあり方に対する考えです。

 

管理業者を管理組合の「信頼できるパートナー」として位置付け、適切な助言・提案や、管理組合の活動の活性化を促す役割を期待しています。

 

しかし一方で、具体的な施策案では、円滑な組合の運営推進のためにマンション管理士等の活用を推進すべき、としています。

 

管理組合の円滑で適正な運営のために、都は管理業者とマンション管理士を一体どのように使い分けたいのでしょうか?

 

ほとんどの管理組合が管理業者に日常管理を委託しながら、必ずしも適正な管理を実現できていない実態があるからこそ、管理組合の立場と利益を守るために「マンション管理士」というの制度が措置されたのではないのでしょうか?

 

2つ目に感じたことは、施策の中身が「役人の作文」の域を出ず、まったく説得力・実効性が感じられないということです。

 

管理組合や区分所有者が管理に無関心なままなのは、別に都が定めた「マンション管理ガイドライン」が認知されていないからではありません。

 

管理組合や区分所有者が無関心だから、毒にも薬にもならないガイドラインでは関心も持たれないから普及しないのです。

 

優良マンション登録表示制度」も同様です。優良と判定される基準も当たり前のレベルだし、何よりも認定されることによるメリットにまるで魅力がありません。

 

そもそも、区分所有者のマンション管理に対する関心が依然として高まらないのは、マイカー購入の際にはクルマ選びに一生懸命でも、それが自分のモノになった後はエンジンルームの状態や車検の手続きに関心がないのと同じと考えれば、別に不思議なことではありません。

 

むしろ、そろそろ「住人自治による管理組合の運営スタイル」の限界を見極めて、「第三者管理」による健全な運営を目指す選択肢も用意することが、潜在的なニーズにかなった合理的な解決方法ではないかと考えます。

 

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