マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

「マンションドクター火災保険」の意義はどこにある?

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日新火災海上保険は、日管連(一般社団法人 日本マンション管理士会連合会)と共同で管理状況に応じた保険料を実現する管理組合向けの新しい保険商品として「専門家診断レポート付火災保険(マンションドクター火災保険)」を開発することを発表しました。(2月10日付け)

この背景には、老朽化マンションで漏水事故などが増加しており、保険会社各社がマンション管理組合からの保険引受を制限したり、保険料を値上げするなどの対策を講じるケースが増えていることがあります。(下記参照)

◆損保ジャパン日本興亜が平成26年7月1日から築25年以上経過のマンションの新規引受を取りやめ(継続契約は可能)

◆三井住友海上火災保険が平成26年10月1日から築20年以上のマンション総合保険の新規引受を見合わせ(継続契約は可能)


◆あいおいニッセイ同和損保は平成26年10月1日より築25年超の物件は平均30%の値上げ、免責金額が5万円に。

 
このような状況の中、マンション管理士が診断を行い、高経年であっても管理状況が良いマンションについては、日新火災が積極的な保険引受を行うとともに、管理状況に応じた保険料を実現する管理組合向けの新しい火災保険を開発することになったということです。

管理組合にとっては、築年数だけで「十羽一絡げ」に評価されることで、保険引き受けがなされなかったり、高い保険料の負担を強いられる情勢へのアンチテーゼとして意義は大いにあると思われます。

しかしながら、多少の違和感を感じたのも事実です。

なぜ特定の損害保険会社との提携なのでしょうか。管理組合のベネフィットを第一に考えるなら、こうした商品を扱う保険会社がなるべく多い方がよいに決まっています。

もう一つは、マンションを診断できるマンション管理士の資格要件です。

マンション管理士会への所属に加えて、日管連の主催する研修会に参加して受講しない限り、マンションを診断する資格を有さないことになる模様です。

なぜ管理士会への所属を資格要件にする必要があるのでしょう?それが管理組合にとってどのようなベネフィットがあるのか理解しかねます。(なお、国交省に登録済みの管理士約15,000人に対して、管理士会所属の有資格者は約2,100名。加入率は約14%と推定されます。)


もっとも重要なことは、健全な財務状況を維持し、長計にもとづく修繕が確実に実施されている管理組合が正当に評価されることでしょう。


今回の発表通り、管理組合のベネフィットに資する商品開発となるのか注目していきたいと思います。

 

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