1月31日の日経新聞に、「中古マンション価格、首都圏の「二極化」鮮明 」という記事が掲載されていました。
都心部の駅近物件がけん引役となり、首都圏の中古マンションの平均価格が3年ぶりに上昇したものの、千葉県や埼玉県では下落傾向が見られるとのことです。
また先月掲載された下の記事では、都心への通勤も可能な郊外部のマンションでも価格が激しく下落していることを伝えています。
日経の記事では、都心部の高額物件が人気を集める理由として、
(1)中古購入層のニーズが価格重視から立地重視に変化していること。 (2)ローンが超低金利で借り入れ可能なこと。
(3)外国人投資家の購入ニーズが高まっていること。
(4)共働き夫婦の世帯の増加が、勤務先に近い都心部のニーズを高めたこと。
(5)将来のリセールバリューを考慮して人気のある都心部が選ばれていること。
などが挙げられています。
では、郊外型物件の不調はなぜでしょう?
大きな理由としては、全国的に空き家率の著しい上昇(2013年度 平均13.5% 参照:空き家率 都道府県別順位 - 平成25年(2013年)住宅・土地統計調査)が見られるように、地方圏・首都圏郊外を中心に人口減少の影響が出ており、住宅に対する需要ボリュームが減少していることが影響していると思われます。
言い換えれば、住宅はすでに国全体としては供給過剰状態に突入しているということでしょう。
今後さらに高齢化が進行すると、人口だけでなく「世帯数」自体の減少も始まるとみられています。そうなるとさらにこの状況に拍車がかかることが予想されます。
要するに、郊外型マンション価格の凋落は、わが国の構造的な人口問題の現われと言えます。
それでは、現在好調な都心部の中古マンション市場は今後どうなるのか?
東京圏の場合、転出より転入が多く人口が増え続けているため、ただちに地方圏や郊外物件のような状況になることはないでしょう。(下記関連記事参照)しかし、人口・世帯数の減少問題は構造的な問題ですから、いずれ同じ道をたどると考えるべきでしょう。
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アベノミクスの異次元緩和でおカネがあり余っている割には、昭和の狂乱バブル経済の様相に比べると地価の上昇は一部エリアに限られ、その幅も小さいので一見「バブル」と言えるレベルに達していないかのように思えます。
しかし、構造的な要因により本来下がるべき価格がむしろ上昇している点では十分「バブル状態」にあるとも言えます。
前回のバブルは今から20年以上前にはじけ、経済的にも社会的にも未曽有の混乱を招きました。
今回はいったいどのような結末になるのでしょうか?
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