マンション管理を見直してコストを適正化する際に、効果的な方法の一つが委託業者の変更です。
たとえば、エレベータ。
たいていの分譲マンションは、三菱、東芝、日立、オーチスなどのメーカー系の保守業者と契約(フルメンテナンス:FM)していることでしょう。
その場合、高層用の高速エレベータを除いて月額6万円~7万円台の負担が相場となっています。
これを保守専門業者に変えるとどうなるか
3~4割くらい下がることも珍しくありません。
もちろん、同じFM契約です。
なぜこんなにも価格差があるのかと思いますよね
これはプリンター業界のビジネスモデルと少し似ています。
プリンターはとても安くなっていますが、インクジェットは、それに比べて純正品はかなりの高額です。
エレベータも、納品の際には同業他社との競争で叩かれるので、そんなには儲からないはずです。
でも、その後のメンテナンスはどうでしょう
管理会社と同様、競争に晒されないので、ほぼ言い値で受託できるしくみになっていると思われます。
しかも、管理組合は無知で無関心ときているので、安全性さえ維持できていればまずメスが入らない。
管理会社も、メーカー系が高いのは分かっていますが、あえて「寝た子を起こす」ようなことはしません。
しかし、法人ユーザーは違います。
大きな価格差に気付いて、流通・電気店をはじめとして大企業や官公庁もどんどん独立系業者に切り替えています。
ただ、そんな独立系に対して偏見もあります。
その一つは、「安かろう、悪かろう」ではないかというものです。
メーカー系に比べてあまりにも安いので、手抜きをしないか不安になるということです。
もうひとつは、メーカー純正部品が入手しにくいので、故障の際に復旧に時間がかかるのではないかというものです。
価格については、先ほどの理由でメーカー系が高すぎる設定になっていること自体が問題と言えるでしょう。
品質については、独立系の成長にしたがって、メーカー系から人材も集まっていると聞きます。
また、リモート(遠隔)点検のシステムを持つほか、拠点の整備も進み、緊急時には30分で現場に駆けつける会社もあり、メーカー系と比べても何ら遜色がありません。
純正部品についてのリスクは、確かに過去にはありました。しかし、独占禁止法の改正でメーカーが純正部品を独立系に供給しないことは許されません。
もちろん、すべての保守専門会社が素晴らしいとは言いませんが、偏見を持たずに選ぶ眼を持つことが大切です。
どうも有り難うございました。