マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

金銭着服を連発しても反省しないマンション管理会社に「登録取消」のレッドカードを!

         f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

もうすぐ師走を迎えようとしている中、またもやマンション管理会社の不祥事が公表されました。

 

www.kkr.mlit.go.jp

www.goko-tatemono.jp

 

国交省の通達文書によると、11月21日に下された「互光建物管理」に対する行政処分(→ 最も軽い「指示処分」)の理由について以下の通り記載されています。

 

同社の元社員が管理組合の管理費及び修繕積立金等金銭を着服したことにより、管理組合の財産に損害を与えた。
 
② 管理組合の対象月における会計の収入及び支出の状況に関する書面に事実と異なる記載をし、管理組合の管理者等に交付した。
 
③管理組合の事業年度終了後に実施した管理事務に関する報告(管理事務報告)において、管理組合の会計の収入及び支出の状況に関して、管理事務報告書に事実と異なる報告をした。
 

 処分の具体的な内容については次の通りです。

①今回の違反行為の内容及びこれに対する処分内容について、役職員に対し、速やかに周知徹底をすること。

②法及び関係法令等の遵守を社内で徹底するとともに、社内研修・教育の計画を作成し、役職員に対し、継続的に実施すること。  

③日常の業務運営に関しての調査・点検を行うとともに、社内の業務管理体制の整備に努めること。

④今回の違反行為を踏まえ、適切な再発防止策を策定し、継続的に実施すること。

 

同社の実績データによると、グループ会社を含めて今年1月現在で324(3万戸超)のマンション管理組合の受託をしているようです。

 

実は、この互光建物管理の傘下会社「中部互光」も、 約2ヶ月前に78日間の業務停止」処分を受けています。

 

www.chubu-goko.co.jp

 

処分理由については、以下のように記載されています。

管理組合の保管口座の印鑑の保管管理組合財産の毀損、重要事項説明・同説明会の未実施、法で定められた書面の未交付、管理事務報告書の事実と異なる記載があったため

 

要するに、組合の財産を保管している銀行口座の印鑑を違法に預かったうえに、その財産を毀損(横領もしくは着服)したわけで、親会社とほとんど同様の所業であることがわかります。

 

しかも、互光建物管理、中部互光ともに、そのホームページには「マンション管理適正化推進法への対応」として以下のようなコミットメントを記載しています。

当社は保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合の印鑑・引出用のカードは保管管理致しません。

 

完全な言行不一致です。

 

しかも、

このような行政処分を受けた管理業者は、自社のHPにも、処分を受けた事実や謝罪や改善にむけた取り組み姿勢を記した文書をすみやかに掲載するのが一般常識とされていますが、今日現在、両社ともこうした文書は一切リリースしていませんでした。

 

こうした状況から、真摯に反省している管理業者とは到底思えません。

 

どうしてこのようなコンプライアンス意識に乏しい企業が、レッドカード=「登録取消」処分にならず、いまだに営々と生き残れているのか不思議です。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

            f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

 

 

マンション管理コストの適正化で、戸あたり年間4万円超の経済効果を実現!

          f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

先日、都内の顧問先マンション(76戸・築18年目)で臨時総会が開催され、当社がサポートした管理コスト適正化が正式に承認されました。

 

その主な内容をご紹介しましょう。

 

1.管理コスト適正化の成果

 ・管理委託費  (従前900万円/年)

・マンション保険(従前 83万円/年)

・電気料金   (従前210万円/年)

 

これら主要3費目について当社が診断査定を行ったところ、年間300万円の削減余地があることがわかりました。

 

その後、管理組合と定期顧問契約を締結し、今夏から管理会社との条件交渉のサポート、業務提携先のご紹介などに取り組んだ結果、年間315万円の経済効果を実現することができたのです。

 

f:id:youdonknowwhatyoulove:20191119150554p:plain

 

(1)管理委託費

全体の削減成果の約9割を占める管理委託費については、当社が管理会社との条件交渉3ヶ月間をかけてサポートした結果、従前とほぼ同じ仕様を維持しつつ従前比で約3割の減額を実現しました。

 

管理会社のリプレイスは行いませんでしたが、一部の管理業務については現行と同仕様で他の業者から見積りを取得した結果、より廉価な委託先が見つかったため、管理会社への委託から外しました。

 

 (2)マンション保険

マンション管理適正化診断の結果、比較的高い「A」評価が取れたこと、また従前の保険会社以外からも相見積もりを取得したことで、従前の補償内容を一切落とさずに保険料を大きく削減することができました。

 

 (3)電気料金

このマンションでは照明灯のLED化は実施済みでしたが、低圧受電にもかかわらず、まだ電子ブレーカーが導入されていませんでした。

 

そのため現地調査を行ったところ、動力設備としてエレベーター(2基)と機械式駐車場(22台)があるため、電子ブレーカーの導入で電気料金が年19万円も削減できることがわかりました

 

電子ブレーカーの購入代金は、電気料金の削減効果によって約2年で回収できるためやらない手はありません。

 

<参考資料>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

また、このマンションでは、すでに電力会社を新電力(東京ガス)に変更していましたが、他の新電力に切り替えるとさらに1割ほど料金が抑えられることがわかりました。

 

 

 これら主要3費目のコスト適正化の実現によって、年間315万円の経済効果生まれました(戸あたり平均で年間4万円超)

 

2.今後の課題

このマンションでは、修繕積立金が竣工以来一切増額改定がなされていません

現在のところ、月額90円/㎡にとどまっています。

 

一方、国交省のガイドラインに沿って試算してみると、このマンションで必要とされる修繕積立金(均等積立方式の場合)は、月額238円/㎡ です。

 

これまでの17年間におよぶ積立不足の蓄積を含めると、コスト削減の成果(年間3百万円)の剰余金を繰り入れても増額改定は避けられません。

 

そのため、来年の通常総会に向けて、修繕積立金の増額改定に取り組んでいくこととなりました。

 

ちなみに、、、

このマンションの場合、理事長さんが今年初めに開催された当社セミナーに参加され、その後に個別相談を受けたことがきっかけとなっています。

 

個別相談から1年経たないうちにほぼ診断どおりの成果が実現できことについては、私自身とても満足しています!!

  

次回 12月21日(土)開催予定の当社セミナーでは、

まさに「管理委託費の3割削減」をテーマに開催します。

 

ご関心のある管理組合の皆様のご参加をお待ちしております!

 

yonaoshi-honpo.co.jp 

 

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

           f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

マンション管理組合の運営を悲観する区分所有者のブログを読んで・・

          f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

管理組合の運営に対して悲観的な想いを綴った、ある区分所有者のブログを見つけたので、ご紹介します。

 

miketoy.hatenablog.com

ブログの要旨は以下の通りです。

 

■ 先週、年に1回のマンションの組合総会に出席したが、いつも長期的な視点に欠けており、通常は昨年の決算報告と次年度予算承認と新役員の選出だけで終わる。


■ 役員は自分の任期の時だけ何とかやり過ごせれば良い、あとは先送りでその次の人に考えてもらおうという他人任せの姿勢が見える。これではまずいと思う。

 

■ 管理会社としては、現状維持なら管理会社を変更しようという提案も出ないから好ましいのだろう。

 

■ マンションの集団無責任体制はあちこちにある。具体的には、長期修繕計画の妥当性チェック、さらにそのための費用をどう捻出するかの観点だ。

 

■ 管理組合は所詮は素人、管理会社は多くの情報を持っていて、情報は非対称の構造だ。

 

■ このままでは、税金を上げるのと同じように管理費<筆者注:修繕積立金の間違い?>を値上げするという策が安易に採用される公算が大きい。これも管理会社にとっては、自分達の収益が維持向上できるので好都合だし、実際多くのマンションで管理会社主導になっている。

 

■ 全体の積立額から自分達の管理委託費の取り分を確保して、残りであとはバランスを取ろうとする構造はまさに銀行が投資信託で手数料をとり残額で運用するのと同じメカニズムだ。銀行や管理会社などが自分達の贅肉をとったりの根本的解決策が模索されることは多分ない。

 

■ 築数十年経過したマンションでも、将来どうするか長期修繕計画の選択肢が議論されることは少ないのは、どこも似たようなものだからだろう。長期的な視点のない自転車操業ばかりで、すべて問題先送りの現状維持路線だ。

 

■ マンションを管理会社から管理組合へ取り戻そうとする選択肢は、面倒臭いと多数決、事なかれ主義者によって否決される。共同体を作ろうというのは夢物語か。マンションの共同体である管理組合とは、所詮そんなものかも?と愛想が尽きてきた。

 

■ マンション管理の未来に関して悲観的になってきてくじでババを引かないためにも、改革志向のないマンションなら脱出した方が良いかも、自己責任で完結する戸建ての方が良いのかも?と思い始めている。

 

このブロガーは管理費と修繕積立金を混同されているようですが、マンション管理組合の運営にかかる様々な問題点にお気付きです。

 

役員の輪番制の弊害として、長期的視点の欠如、現状維持主義、問題先送りなど、管理組合に関する普遍的かつ本質的な課題について実に的確なご指摘をされています。

 

いっそのこと、問題意識の高いご本人が役員に立候補して改革を実行されては?とも思いますが、それもなかなか容易ではないと達観されているのか、マンションに見切りをつけて戸建て住宅に移ろうかと考え始めているようです。

 

ただ、世間一般では、マンションへの永住志向は年々高まっています。

 

国交省によるマンション総合調査(平成30年)では、過半数を超える6割以上が「永住するつもり」と回答しています。(下記グラフ参照)

 

f:id:youdonknowwhatyoulove:20191112120505p:plain

 

しかしながら、将来的な資金不足に直面するリスクを孕んだままの長期修繕計画への対応をはじめ、重要な課題に対して管理組合が真摯に向き合って対応できていないのが実情です。

 

しかも、今回紹介したブログのような管理組合の運営に対する不安感は、以下の理由から今後ますます増大していくだろうと思います。

 

(1)大規模タワーマンションの急増

各住戸の資産価値や部屋の面積にあまり差異がない既存マンションと違い、日照条件や階数、家族構成・ライフスタイルまで大きく異なる世帯が多数同居するタワマンが急増しています。

 

特に首都圏では、超高層マンションの占める割合は全販売戸数の2割近くにのぼり、2021年には累計30万戸に達する見込みです。

 

大規模なタワマンの増加は、今後管理組合内の運営と合意形成に関する難易度をさらに引き上げることになるのは間違いありません。

 

(2)所有者不明問題や相続放棄問題の勃発

人口減少と少子高齢化の進行に伴って、今後既存マンションの資産価値は確実に右肩下がりになると思われます。

 

その結果、老朽化して資産価値が大きく下がった一方で、維持管理費の高いマンションが巷に増加し、立地条件の劣る物件を中心に区分所有権が誰にも引き継がれなくなる事例が次第に増えていくことでしょう。

 

そのようなマンションにローンの残債があれば、相続放棄の対象となるリスクも上昇します。

 

仮に相続放棄された住戸がマンション内で発生した場合、管理組合はただちに管理費や修繕積立金の滞納問題に直面することになります。

 

滞納を回収するには次の区分所有者を至急見つけなくてはなりません。

 

そのためには、まず相続財産管理人の選任を求めて家裁に申請するなどの煩雑な手続きや予納金などの経済的負担がのしかかってきます。

 

もちろん、こうした手続きには総会決議で承認を得ることが求められます。

 

素人集団で構成される管理組合が、果たしてこうした難題をうまく解決できるでしょうか?甚だ疑問です。

 

マンションへの永住志向ニーズに真摯に応えようとするなら、管理組合の運営スキームを従来の「住民自治主義」から大きく転換を図る必要があると思います。

 

その解決策とは、端的に言えば「所有と経営の分離」です。

 

管理組合の運営に必要とされるスキルが高度化・複雑化していく中、素人で構成される理事会では対応しきれなくなるのは自明です。

 

稀に、とても勉強熱心で辣腕をふるう理事長が現れるような幸運なケースもありますが、その人物も何らかの事情で区分所有権を売却することは可能なので、恒久的に安泰なわけではありません。

 

それでは、プロの管理会社に理事会機能もすべて任せたらどうか?

それこそ利益相反の極みでしょう。

 

所有と経営の分離の担い手として 、今こそマンション管理士という国家資格を有する有能な人材が活用されるべきではないかと思います。

 

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com
 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 
           f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

マンション管理会社の満足度調査は、ランキングを眺めても実態は分からない!

            f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

ダイヤモンドオンラインで、「マンション管理会社「満足度」ランキング、住民に選ばれる意外な条件」といい記事が掲載されていました。

 

 

diamond.jp 

本記事の要約は以下の通りです。

■ スタイルアクトは、物件情報サイト「住まいサーフィン」の25万人の会員を中心に、2009年以降毎年「管理会社の満足度調査」を実施している。今年10月中旬に2019年版を発表した。(有効回答数は2266)

 

■ 各回答者がどのマンションに住んでいるかを特定した上での調査のため、マンション管理の良し悪しについて入居者の声を聞くことができる。

 

■  入居者満足度で管理会社をランキング(サンプル数20件以上が必要条件)にすると、全体総合満足度1位は、野村不動産パートナーズ(71.9ポイント)となり、11年連続のトップ。僅差の2位で三井不動産レジデンシャルサービス(71.5ポイント)、3位に東京建物アメニティサポート(67.4ポイント)が入った。

 

■ 1位の野村は、管理会社に対する業務遂行・フロント提案が高く評価されており、理事経験者の評価も高い。それに対して2位の三井は、ふだん現地にいる管理人に対する個別評価などが高い。

 

■ 東京建物は、多くの評価が3位以内に入るバランスの良さから全体でも3位に食い込んだ。なお、中堅以下(管理戸数10万戸未満)のグループでは1位だった。

 

■ 満足度の影響要因を分析すると、管理会社に対する評価やイメージが上位を占め、実際の管理員や点検の実態などはあまり影響していない傾向が見られる。

 

■ 管理委託先に対するイメージとは期待値のようなもので、この期待値が高くないとそもそもハイスコアが出ないことが想定される。つまり、入居者満足度の方程式は、期待値 ×  納得度 となる

 

■ 実際、このランキングを決しているポイントは、入居者に対して管理会社が前向きかどうかという企業姿勢を反映しているように思われる。

 

■ 以前、管理業務は「事なかれ主義」の姿勢が強かった。しかし、今は入居者に積極的にアプローチし、コールセンターを設けたり、アウトレットへのバスツアーを企画していたりするケースもある。期待値を上げ、納得度にもコミットする姿勢が上位の会社ほど見られる。

 

■ このように、サービスを受ける前の顧客に影響を与える会社のイメージは非常に大きい。それも大手は、物件新築時から自社系列の管理会社に管理を引き継ぎ、グループ全体でブランドイメージを共有している。大手に対する安心感がこうした結果に表れている。

 

■   一方、中堅以下でも取り組みが優れている会社はあり、入居者の納得度を上げることによって高い評価を付けることができる。業者がこの評価を上げる最も効果的な方法は、真摯でスピーディな対応をすることだったりする。

 

■ 管理組合の理事経験者は、管理会社のフロント担当者を重視し、そこで大きく管理のパフォーマンスが変わってくることを理解している。理事は管理会社の人と接する機会が多く、そうでない人は管理人以外の管理関係者と通常会うことはない。入居者で結成される管理組合の理事たちは、管理会社に相談を持ちかけながら

提案を受ける。その対応に良し悪しが出るので、理事の方が正確に管理状態を理解していると考えられる。

 

■ 今回の調査サンプルは理事経験者だけでも、約半数を数える。彼らが選ぶ管理会社の順位は、1位:三井、2位:野村、3位:東京建物となった。昨年の3位は住友だったが、足もとでは管理業務の解約を進めており、5位に後退している。

 

■ これは管理戸数の多さに関係なく、フロントの質が高いことを示しており、どんな管理会社でも目指すことができる目標にしやすい重点事項である。管理戸数は短期的に増やせないので、小回りが利く良質な管理会社の目安にはなるであろう。中堅の管理会社では、こうした担当者の教育がより一層重要になってくるし、それを見極める入居者の判断も、今後は一層厳しいものになっていくと思われる。

 

■ 住友の場合は、自社ブランド以外の不採算物件の解約を進めているようで、この背景には、管理事業が儲からなくなっている背景がある。それに拍車をかけるように人の採用も厳しくなっており、人件費の高騰もある。

 

■ 今回のアンケートでは、3年連続で、管理費を現状維持できるならAI・ロボットに任せてもよいかという質問もしているが、回を追うごとにAI・ロボットの比率が上がっている。清掃、受付、報告業務に関しては以前からニーズが高いが、今回は相談業務の割合も大きく増えている。

 

■ また、管理業務に外国人を活用したいかなどの質問については、清掃、受付業務において外国人を許容する割合が増えている。マンション管理にもAI化・グローバル化の流れが起きている。

 

 この記事について、マンション管理コンサルタントの視点から思うことを述べてみます。

(1)この調査の目的とは何か?

まず最初に感じることは、管理会社の満足度を点数化してランキングすることによって世間に何を伝えたいのかという疑問です。

 

筆者も自らも述べていますが、<満足度= 期待値 ×  納得度>という方程式が成立しており、その「期待値」は「大手が安心感もあって有利」と指摘しています。

 

中堅以下の管理会社は、その点において明らかに不利な立場にあるわけですから、親会社の大手デベロッパーの供給力の賜物で売上高が多く、経営が安定している系列会社が上位にランクされるのは至極当然の結果でしょう。

 

要するに、結果は初めから世間の大方の予想を裏切らないもので、しかも経年的な変化も特に見られず、インパクトを感じません。

 

顧客満足度を公表することによって、今後マンション管理会社間で健全な競争を促そうとするなら、他にやり方があるのではないでしょうか。

 

(2)注目すべきは、業界全体に対する低評価の実態

この調査結果をサイトで確認すると、入居者による評価項目が以下のように構成されています。

 

・管理人(言葉遣い、業務遂行、スピード、ホスピタリティ)

・管理会社(業務遂行、意欲、フロント対応、フロント提案)

・コスト(コストパフォーマンス、修繕積立金への不安の有無)

・サービス・イベント(Web、生活サービス、イベント)

・満足度(満足度、推奨度)

 

これらの項目ごとに各社のデータをチェックしてみると、以下のような実態が読み取れます。

① 「管理人」の評価は総じて高いが、「管理会社」への評価は低め

「管理人」は、各社70〜80台のポイントを獲得していますが、「管理会社」についてはトップの野村が辛うじて70台、2位以下は60台〜50台と、ほとんどの管理会社は満足できるレベルに到達していないことがわかります。

 

②「コスト」については、おしなべて低評価

「修繕積立金に対する不安なし」については、最高でも63で、総じて50台にとどまっており、どの管理会社も合格レベルに達していません。

 

これは、段階的な増額改定が一般化しているという業界の問題点を反映したものと思われます。

 

さらに、「コストパフォーマンス」に至っては、独立系大手の1社のみが50台で、その他はすべて40台と低迷しています。

 

いずれの管理会社も不合格と言っても過言ではないでしょう。

 

つまり、世間が注目しやすいランキング以外の面で本調査の結果をまとめると、 

管理人はそこそこ働いてくれているけれど、フロント担当者や管理会社への満足度はおしなべて低く、コスト・パフォーマンスに不満あり!

 と総括できると思います。

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 
           f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

 

今年ラスト!12月度 マンション管理セミナーのお知らせ

12月度 マンション管理セミナー」を開催いたしますので、下記の通りご案内いたします。

  

先着10名様のお申し込みを受け付けております。どうぞお早目にご応募ください。

【日時・会場】

令和 元年  12月 21日(土) 

13:30~15:00

 

LEAGUE 地下1階 ミーティングスペース

東京都中央区銀座3-11-3

東京メトロ「東銀座」駅歩2分 「銀座」駅歩5分 

 

 

 

【参加料金】

 お一人様  2,000円(税込) 

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方

弊社に個別にご相談いただける方

 

 セミナー後の個別相談をお申込みの方には、もれなく弊社代表の著書「マンション管理見直しの極意」を進呈いたします!

 

【内 容】

1. 講 演 

管理コストを3割削減するための見直し術

これまで弊社のコンサルティングによって大幅なコスト削減を実現した事例を紹介しながら、その費用項目ごとに効果的な見直しポイントを解説します。

【内 容】

ポイント1】 管理人の勤務体制と業務内容


最も多く見られるのが、管理員の勤務時間が過剰なケースです。また、その業務範囲も物件の特性によって違いが見られます。

ポイント2】 各種共用設備保守点検の契約


エレベーター、消防、機械式駐車場など各種共用設備の保守点検費用は管理組合側には相場観がないため、メスが入りにくいテーマです。

ポイント3】 遠隔監視&緊急対応費用

 

設備保守点検と同様に相場観が掴みづらい項目ですが、そのため割高になりがちです。

ポイント4】 事務管理費などの管理会社経費

 

管理会社によって提示金額が異なりますが、物件の規模に応じたで適正な市場価格がわかります。

【講 師】 村上 智史(弊社代表取締役)

 

2. 個別相談会(※希望者のみ)

貴マンションの管理委託費を簡易診断させていただきます。(無料)その他、管理会社の変更や大規模修繕、高圧一括受電、省エネ対策などのご相談も随時承ります。

 

【お申込み方法】

弊社サイトの問合せページから「セミナー参加希望」と明記のうえ、お申し込みください。 

  

               f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

コンサルティングの前後でマンション管理組合の財政状況はどれだけ変わったか?

           f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

先日、顧問先の都内のマンション(約100戸)で第15期定期総会が開催されましたが、これまでの当社の貢献が評価され、顧問契約も無事更新いただきました。

 

当社がコンサルティングに着手したのは2年前のことですが、その前と後でどれだけ状況が変わったかをご紹介します。

 

1.  管理委託費の適正化

(1)管理会社の変更

当社の「管理コスト適正化診断」では、管理仕様を変更しなくとも現状比14%下げられるという見立てでした。

 

そのため、管理会社と委託費の交渉を行いましたが、2回の交渉を経ても減額率は5%に満たない提示にとどまりました。

 

当時の理事長さんとともに旧財閥系デベの管理会社に赴いて上席の部長にも掛け合いましたが、結局埒が開きませんでした。

 

当初は理事会にリプレイスの意思はなかったのですが、協議した結果、同業他社から相見積もりを取得することを決め、各社プレゼンの結果、従前と同じ仕様のまま他社に契約を切り替えることになりました。

 

その結果、管理委託費は当社の査定額とおおむね同じ水準まで下がり、年間200万円の剰余金が生まれることになりました

 

(2)遠隔監視業務費の適正化

このマンションでは、竣工当初から警備会社のインターホンが設置されていましたが、経年劣化に伴い警備会社から設備更新の提案を受けました。

 

しかしながら、インターホンが特定の警備会社の仕様になっていたため、警備会社を変更することが難しく、監視業務費も下げられない状況でした。

 

そのため、インターホンの更新タイミングを機に遠隔監視業務費の見直しを行うこととしました。

 

具体的には、警備会社を他社に変更できる余地を作るよう、まずインターホンを国産メーカーから直接見積もりを取ることにしました。

 

それとともに、同業他社から遠隔監視業務費の見積もりを取りました。

 

こうした動きに危機感を覚えた警備会社が、インターホンの更新工事費、遠隔監視業務費ともに大幅に減額する提案を行ってきました。

 

その結果、最終的には遠隔監視業務費が従前の半額以下になり、年額75万円の剰余金が新たに生まれました。

 

(3)管理仕様の見直し

このマンションでは、管理仕様がやや手厚すぎる項目が見られました。

 

特に管理員業務は毎日8時間勤務となっているうえに、清掃員は別にスタッフが2名派遣されていました。

 

そのため、以下の項目について勤務日数・時間の変更に関するアンケートを実施した結果、7日勤務は維持したまま1日の勤務時間を2時間カットすることになりました。

 

その他、自動ドアや自家用電気工作物の点検頻度を若干減らす変更を加えた結果、年額86万円の剰余金が生まれました。

 

こうした3つの見直しを行った成果として、年額360万円の経済効果を実現することができました。

 

2. 修繕積立金の増額改定

このマンションの修繕積立金は、専有面積(㎡)あたり月額120円でした。

 

しかしながら、このマンションのために作成された長期修繕計画(30年)で逆算してみると、均等積立てで必要となる徴収額は、同278円です。

 <国交省のガイドラインにもとづいて試算すると、月額223円>

 

将来の資金不足を回避するには、管理委託費の適正化で得られる剰余金の繰入れを加味しても、現状比で@100円以上の増額が必要な状況であることがわかりました。

 

理事会で審議した結果、こちらも区分所有者の皆さんの生活に直結する重要テーマのため、当社のサポートのもと、現状の資金収支の見通しをお知らせするとともに、修繕積立金の増額に関するアンケートを実施することになりました。

 

その集計結果をもとに理事会で審議したところ、均等積立方式への移行はしなかったものの、@200円まで増額することを選択し、先日の総会で無事承認されました。

 

この水準まで増額しておけば、上記剰余金と合わせると実質@230円程度になるため、今後さらに2倍も値上げするような事態は避けられると思われます。

 

 

管理組合の財政は、管理費と修繕積立金という2つの会計で運営していますが、このマンションは2年でどちらも大きく変革することができ、当面の大きなリスクは解消されました。

 

皆さんのマンションは大丈夫ですか?

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com 

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 


           f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「理事会の役員になりたくない」が8割超・・これがマンション管理組合の実態!

            f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

「マンション・ラボ」というサイトで、貴重なアンケート結果が公開されていたのでご紹介します。

 

www.mlab.ne.jp

記事の概要は以下の通りです。

■ マンション住民約2,500名を対象に、『理事会運営』の実態についてアンケートを実施。以下は、質問とそれに対する回答状況。

 

■ 理事会役員の経験の有無について  

・「現在も含め経験あり」:59%

・「経験なし」:41%

 

 <役員経験者への質問>

■ 理事会の開催頻度、主な曜日・時間帯、所用時間

 ・「月1回」の開催頻度      :58%
・「土・日の午前中」の開催    :全体の約7割
・「1時間以上2時間未満」    :全体の約6割

 

■ 現在(もしくは過去)の理事会の主な議題やテーマ

トップ3は、

「大規模修繕工事」

「住民トラブル、マナー対策」

「管理費・修繕積立金の見直し」

 

■ 理事会運営にあたってのお困りごと

「住民への理事会活動の周知不足」

「意見がまとまらない、出てこない」

「毎回の理事会参加者が少ない」

「議案への対応に時間がかかりすぎる」

「高齢化などによる理事のなり手不足」

「理事会にかかる時間が長すぎる」

「管理会社の課題対応が遅い」

 

<役員未経験者への質問>

■ 理事会の役割や取り組みの内容をご存知ですか?
「知っている」:55%

 

理事会役員になりたい(なってもいい)と思いますか?
「なりたくない」:82%

 

■ 理事会役員になりたくない主な理由
「拘束されそうだから」「面倒臭いから」「忙しいから」
「よくわからないから」

 

 このアンケート結果は、私のこれまでの経験と照らし合わせても、とても納得のいくもので、管理組合の実態をよく反映していると感じました。

 

特に印象的だったのは、役員未経験者のうち「理事になりたくない」という回答が全体の8割超を占めているという結果です。

 

その理由は、アンケート結果にある「役員経験者の悩み」からある程度推測できます。

 

おそらくは、「理事会の役割・業務がよくわからない」中で参加しても、「意見が出ない、まとまらない」ため「所用時間がかかりすぎる」という事態が予想され、こうした「苦痛」を味わいたくないというのが役員就任が忌避される原因かと思います。

 

そのため、本記事のタイトルにもあるように、

「いかに理事会業務の効率化を図るか」という課題が浮かび上がってきます。

 

ただ、残念ながらそれは容易なことではありません。

 

マンション管理組合の役員は、自治会(町内会)やPTAのそれとと同じように扱われる傾向がありますが、一定の専門知識も必要です。

 

だからこそ、「マンション管理士」や「管理業務主任者」という国家資格が存在するのです。

 

にもかかわらず、

理事会役員を1年毎の輪番制で慣例で運用しているマンションがもっぱらでしょう。

 

そのため、役員就任から1年経過してようやく知識も増え慣れてきたところで全員が「お役御免」となりリセットされてしまいます。

 

その結果、理事会のマネジメント力は一向に改善されないという状況が繰り返されます。

 

プロのマンション管理士の立場から言わせてもらうと、

管理組合の運営は「資産管理会社の経営」と同じだと考えています。

 

多くのマンションでコンサルティングしていると、どの管理組合もアンケート結果のように概ね類似した課題を抱えていることがわかります。

 

そのため、別のマンションで課題を解決した時に得られた知見を、他のマンションにも活用することができるのです。

 

そして、

専門知識を持つ外部プロフェッショナルの活用こそが、役員就任のトラウマを解消し、「理事会業務の効率化」ならびに「課題の早期解決」につながると思います。

 


           f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ